軌跡

輝石のあれこれ

セルフライナーノーツ vol.3

めちゃめちゃお待たせしました…。今回はまどかを除くPersonaメンバーのソロ楽曲についてお話しようと思います。
ユニットオリジナルなど諸々も出てますが、それはまた次回に…

・At Daybreak
タイトル訳は「夜明けに」。
ライブが終わったステージに1人残って、空になった客席を見渡しながら余韻に浸る。そんな実穂を思い浮かべて書いた曲です。私としてはすごく実穂らしい楽曲なのですが、実穂はどちらかと言えば童顔ですし、飾らない雰囲気やツインテールから幼い・可愛らしいイメージも強かったりするのかな?そう感じていた方からすると意外だったかもしれませんね。
曲が始まってからサビまではずっと1つのコードが鳴り続けます。普通こういうのってアリなのかな…。ギターを扱わないので分かりませんが、私はカッコいいと思ってやりました。

歌い出しは静かで、サビの終わりにかけてどんどん盛り上がっていく構成の曲なので、その落差で苦戦させてしまったようでした。それでも最後まで真剣に曲と向き合って、何度も何度も歌い込んでくれるその姿を見て、やっぱり"辺実穂"だな、と感じました。最高の歌をありがとう!


・friend or ?
「好きになっちゃった、ごめんね」というフレーズとタイトルが先に浮かんで、そこから詰めて作った曲です。知重莉にはかわいいラブソングを歌ってほしくて、でもあまり元気で明るいイメージにはしたくなかったので切ない雰囲気に落ち着きました。サビのメロディが特に好きな楽曲です。
この曲は珍しく三拍子ですね。実は奇数拍子が大好きなのですが、だからこそ安売りしたくなくて封じがちです。ここぞ、という感じでした。裏でちょこちょこ鳴っているクラリネットが可愛くてお気に入りです。

奇しくも知重莉の卒業曲になってしまいましたね。胸を張って彼女の最高傑作だと言えますが、もっと最高傑作を更新していって欲しかった思いもあります。
優しくて切ない楽曲の世界観と知重莉の歌声がとても良く合っていて、ふとした時に聴きたくなる作品だなぁと思います。


・といきとりっく
珍しく歌詞から書いた曲です。と言っても、ラップ調というかセリフメインの楽曲なのでそうする他ありませんでしたが…。歌詞を先に書くのは初めてだったので、詩からどうやって曲を作っていけばいいのかわからずかなり試行錯誤しました。結果、書いた歌詞を一旦無視して曲を作り、詞をはめながら調整する形だったと思います。これで合っているのか。(このあたりは当時の文章です。最近は割と歌詞から書くことも多くなりました)
ちなみに、音の運びはピノキオピー氏を少し参考にしています。不思議でかわいくて、ちょっぴり不安定な進行ですね。スチールドラムのぽよぽよした音とファミコンのピピピ音がいい味出してます。

最初に音源をいただいたとき、わりと元気でかわいく歌ってくれていたのですが、都生の不器用さがほしかったのであえてテンションを下げて、棒読み気味でリテイクをお願いしました。とはいえ、「…えっ?」「忘れたい!」などなど、元気なテイクも一部採用しています。ポーカーフェイスの裏ではきっと、このくらい感情が動いていると思うんですよ!


・夜の随に
舞踏会に現れる王子様のような、エレガントでマニッシュなサウンドを目指しました。たしかバイト帰りの道すがら、前奏・サビのメロディーがふと頭に浮かんで、忘れぬようにと音声を録音した覚えがあります(不審者)。こういう"降りてきた音"を記憶だけで再現するのはまず不可能なので、その瞬間に記録するのがかなり大事。
アコーディオンやパイプオルガンの音色が大好きなので、この曲ではふんだんに使えて満足です。

智理の声とオルガンメインのインストとの相性がとにかく良い!高くなる部分の張り方も堂々としていてカッコよく、イメージにピッタリでした。複数人の曲では智理のハスキーな声はどちらかというと隠れて、全体の音の厚みを出す側に回るのですが、ソロだとより繊細な部分も味わえて良いですよね。


・DON'T LOOK BACK!!!
「振り返るな!!!(大声)」
小鈴はもうがっつりロックサウンドにしようと決めてました。といっても私はロックバンドを聴かないので、どうやって作るものかと悩みましたね。とにかくエモいコード進行と強めのギター、ベースもいつも使うピックベースではなくスラップベースでカッコよく仕上げました。サビ終わりから楽器が盛り上がるので、2番がカッコ良くなりそう。フルで聴きたい曲ですね。

もう、めっちゃ小鈴!カッコよく力強く、でも幼さやあどけなさも残る声で歌ってくれました。サビの音程が上下しまくる部分、この通りキレイに歌うのは難しい上にあまりカッコよくない…と思っていたんですが、適度に崩しつつロックに歌ってもらえてすごく良かったです!聴き応えバツグンの一曲になりました。


・薄紅の心
Personaソロで最初に発表されました。ちらっと話しましたが過去のオリジナル曲のメロディを流用したアレンジ曲になってます。宛のなくなった曲をこういう形で表に出すことができて良かったです。とはいえ、雰囲気はガラリと変更したので、しっかり春日奈の曲として昇華できたかなと思います。
春日奈らしい和ロックに、ゆるい春日奈とはギャップのあるシリアスな歌詞をあててみました。(人の命を感じさせるような…) 加えて、年長らしい色気なんかも感じてもらえたらなぁと思いますね。

まずごめんなさい。本当に歌いづらい曲です、これ…。ブレスできる場所がない。それを歌い上げてもらっただけでも脱帽なんですけど、"悲恋歌を歌う春日奈としての演技"も感じられて、最高でした。春日奈自身が悲しい恋をしたことは…おそらくないでしょうが、彼女は演技派なので、悲しさや切なさの表現も得意なんじゃないかなと!


ここまで読んでいただいてありがとうございました!お待たせした上に読みづらい文章でごめんなさい…。
前回お話しした四季めぐる物語を除くユニット曲などはまたの機会に!